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Vol3.こころのお話3

執筆者の写真: 安芸心理オフィス安芸心理オフィス

安芸心理オフィスは精神分析的心理療法を提供している心理オフィスです

安芸心理オフィス代表 岡野泰子

 

こころの成長・発達について

 ウィルフレッド・ビオンは、精神分析の理解の中で、乳児を世話する母親の存在を重視しました。乳児が飢えや眠気・痛み等の苦痛な感情や感覚を体験し耐えられない時、乳児はそれらを自らのこころから排出しようと泣きわめき、手足をばたつかせます。母親はその様子を感知し、乳児が耐えられない苦痛が何なのかを、自らのもの想いの中で受け取り、理解します。そして乳児が求めているものを与えます。



 ビオンは、母親が乳児の苦痛を受け入れることと(コンテインニング containing)、その意味を理解し(夢想reverie)、消化し易い状態にして乳児に返すことで、乳児の心は安心を得られると述べました。また、ビオンは、母親のこの理解する機能をアルファ機能alpha-function、理解する容器としての心をコンテイナーcontainerと呼び、乳児は、母親にコンテインされ理解される中で、母親のアルファ機能と容器としての心を取り入れ、耐えられなかったものを意味あるものとして自身の心の中に保持することができ、考えることができるよう、成長すると述べています。

クライン派対象関係論による精神分析あるいは精神分析的心理療法では、セラピストは、クライエントの表す心の苦痛を自らのもの想いの中で受け取り、それらを理解しクライエントに伝えることを通して、クライエントの心の成長を育むよう会い続けます。

(参考:wikipedia「ウィルフレッド・ビオン」、松木邦裕著「精神分析体験:ビオンの宇宙」

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