安芸心理オフィスは精神分析的心理療法を提供している心理オフィスです
安芸心理オフィス代表 岡野泰子
こころのしくみ(3)
無意識についてのもう一つのお話です。
好きでもないと思っていた人の夢を見て、その人に恋をしていることに気づく、という体験をされたことはありませんか? これは、例えば、「自分が人を好きになるなんて」という羞恥心や罪悪感が、その気持ちに「気づかない」よう、無意識という領域に抑え込んで(抑圧)いるのです。
また、「その人なんてを大嫌いだ」と反対の気持ちを作り上げて(反動形成)、好意を持っていることを否認し、気づかないようにすることもあります。

このように、人のこころは、さまざまな感情や考えを、色々な理由で抑え込んだり、ないことにしたりして気づかないようにすることがありますが、それは、その人のこころを守るための働き(防衛機制)であり、現実に適応するための働き(適応機制)でもあります。
そう思うと、自分のこころが、どのような時にどのように動き、働いているのか、怖くもありますが、興味深く知りたくもなりますね。