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  • 執筆者の写真安芸心理オフィス

Vol6.こころのお話6

安芸心理オフィスは精神分析的心理療法を提供している心理オフィスです

安芸心理オフィス代表 岡野泰子

 

精神分析・対象関係論の始まり

 対象関係論学派の創始者であるメラニー・クラインは、結婚出産の後にうつ病を患ったことがきっかけで精神分析を受け、精神分析家になった女性です。



 クラインの第一論文「子どもの心的発達(1921)」では、フリッツという様々な挑戦的な問いを発する男児を登場させ、子どもの関心や考え、心的世界を観察し熟考した様子を描いています。そこには、クライン自身の個人的事情や家庭状況と関連したテーマ、不幸な結婚生活や専門家として進むべき道が見えないクライン自身の精神分析との出会いが刺激となった視点があります。自らの子ども時代や人生のあらゆる種類の問題を掘り起こしながら、多くの子どもとのプレイアナリシスを通して、クラインは子どもの心を見つめます。

クラインは、その後、大人の精神分析を実践するようになりますが、「幼児の心に乳児の心を発見した」精神分析家と称されるように、人の心の中にある様々な内的対象を見つめる対象関係論を発展させました。

(参考:「リーデイング・クライン」マーガレット・ラスティンら著、松木邦裕ら訳)

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