安芸心理オフィスは精神分析的心理療法を提供している心理オフィスです
安芸心理オフィス代表 岡野泰子
こころのしくみ(4)
人のこころには無意識という広大な領域があるお話をしました。人は、その人の心を守るため、また現実に適応するために、さまざまな感情や考えを、色々な理由で抑え込んだり、無いことにしたりして、気づかないようにすることがあると言うお話ですが、それは同時に、その人の考え方や見え方に歪みを与え、生きづらさをもたらす可能性もあるものです。

例えば、「友人にノートを貸す約束をしたのに、すっかり忘れて失敗した」という出来事も、謝ってすめばそれでいいのですが、頻繁に、あるいは程度が酷くなると、「もう人と関わりたくない」のように、生きづらさを抱えることになる場合もあるかもしれません。
そんな時、「少しずつ人に関わる」のように、訓練や練習を重ねてできるようにしていく方法もあるでしょうが、「大事な約束を忘れてしまう」という心の背後の様々な感情や思考を見つめ、気づいていくと言う方法もあります。自分では気づいていない「無意識」というこころの領域を見つめて、思考や感情の偏りに気付き手放していけるのが精神分析という営みになります。